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歌舞伎座新開場柿葺落 九月花形歌舞伎 夜の部

9月16日 歌舞伎座 2階2列センター

新開場記念 新作歌舞伎
新作「陰陽師」滝夜叉姫
第一幕 都大路
    「晴明、百鬼夜行に遇いしこと」より
第三幕 貴船山中
    「将門復活。最後の戦いと大団円」まで

安倍晴明/染五郎、平将門/海老蔵、興世王/愛之助、桔梗の前/七之助、
賀茂保憲/亀三郎、平維時/亀寿、大蛇の精/新悟、蘆屋道満/亀蔵、
平貞盛/市蔵、雲居寺浄蔵/権十郎、小野好古/團蔵、源博雅/勘九郎、
俵藤太/松緑、滝夜叉姫/菊之助                                      

今回、高い席に座ったのは、奮発したのではなくて、諸事情で先行販売日に買えなくて、ひたすら戻りを待ってて、最初に戻りが来た席をとにかく確保したからです。ぷ。
そしたら、二階は三階ほど傾斜がなくて、真ん前に座高の高い紳士がお座りになってしまって、視界のど真ん中に頭が…。
しかもぐらぐら頭を動かすので、こちらもそれに合わせて視線の位置を変えなくてはならず、お芝居に集中できなくて、たまりかねて注意してしまったら、気まずかったのか、幕間明けにお連れの奥様らしき中肉中背の女性と席代わってたので、助かったww

でも、前に座高の高い人が座るというリスクを考えると、三階の方がコスパがいいかもと思った次第。一階も余り傾斜がなさそうだしね。

閑話休題。
今回は何と言っても演目が演目で、自分も歌舞伎ファンと言うより、陰陽師ジャンル者として観劇に臨みましたので、カテゴリーは「観劇(歌舞伎)」ではなく、「陰陽師話」とさせて頂きます。ふふふ
正直、序幕の時点では、「大丈夫か、コレ」って不安になるような感じでしたが。
序幕が全体の上演時間の半分を占めるという尺のバランスの悪さもですが、内容も冗長でテンポが悪く、自分は原作既読で落としどころが分かっているから、何とかついていけましたが、原作未読で、史実にも詳しくないお客さんには、落としどころが見えなくて、???状態だったのではないかと。

まあ、最後まで見終わってみれば、むしろ本筋をテンポよく進めるために、将門サイドのエピソードを全部序幕に詰め込んだってところなんだろうな、とは思いましたけど、それにしても、もっと手際よくまとめられるんではないかと思ったし、時系列がめちゃくちゃすぎるし、余り都vs.東国の対立軸を強調するのは、正直ウザいし、全体のストーリー展開を考えると(東国の状況が改善するわけではない)、余り上手くないのではないかと。

それが二幕目に入ったら一転。
都大路で、晴博が滝夜叉姫に会う場面、葉二の由来話を晴博が語るとか「はうううう陰陽師!めっさ陰陽師やー」って、あっという間にテンションアップ。
そのまま舞台が回って、晴明邸の簀子に移ると、余りにも自分が求めていた「簀子でほろほろ酒を酌み交わす晴博」の空気感が、完璧に再現されているので、マジ泣きしてしまいましたよ。
やっぱり歌舞伎の力って凄いなー。
このままずーーーーっと簀子でほろほろしてて欲しいって思ったくらい(無理)。
染勘の晴博の呼吸もなかなかだったし、このコンビで原作の他のエピも見たいなって、真剣に思いました。
二人の関係がべたべたになり過ぎず、でも深い信頼で結ばれているというのがしっかり描かれていた。
他の人がいる時は、晴明がちゃんと博雅に敬語を使ってたし。
でも、保憲兄さんがいた時はタメ口だったなー。何でかしら。保憲兄さんにはそんな気を遣わなくていいじゃんって感じなのかしら。

勘九郎ちゃんの博雅は、期待以上にいい博雅でした!最初声がちょっと庶民的な感じがしたけど、途中から全く気にならなくなって、本当に心に何の曇りもない、真っ直ぐな魂の持ち主って感じだったよ。
コミックも映像も、どうしても博雅はアホの子が無骨キャラになっちゃうんだけど、原作はそのどっちでもないんだよね。初期はともかくw、優れた知性と教養を持つ文化人なんですよね。勘九郎ちゃんの博雅は、品格があって、知性と情のバランスが取れていて、原作の博雅の雰囲気を正しく再現していたと思う。

染ちゃんの晴明はちょっと熱血過ぎwだけど、悪くないです。人差し指と中指を口にあてて囁き声で呪を唱えるとか、上体を固定してすり足気味に走るとか、相当萬斎さんの晴明を研究してるなって思いました。
式神がめっさ可愛かったなー。蜜虫のような美女でなくて、管狐を採用したのはいいアレンジだと思いました。何でもパトラッシュと名前をつけてるとかw
簀子での小芝居とかめっちゃツボった。あれ、マギー審司さんとかにおさったんですかね?

全体的に作り手、演じ手の『陰陽師』という作品に対する思い入れが感じられたのが好印象。
ぶっちゃけ原作『滝夜叉姫』って、完全に将門と藤太のドラマになっちゃてて、晴明も博雅も完全にいらない子で、「これ別に陰陽師でやらなくてもいいネタじゃん」感が酷いんですが、その辺り、将門の乱平定に晴明も一枚噛んでた(あれは最初微妙?って思ったけど、ちゃんと伏線としてストーリーの中で生かされていたからよかった)とか、最終兵器笛吹き博雅で、ちゃんとクリアーしているのが良かった。
道満の扱いも上手かったしねー。あの拵えの無茶苦茶感は、律義にボロ着て出てくるより、道満のキャラをよく表してると思った。亀蔵さん、名演技!いい道満でした!

惜しむらくは、保憲兄さんには、晴明に「なぜ保憲さまがご自分でおやりにならないのです」って聞かれた時、「面倒なのだ」って、しれっと答えて欲しかったぬー。
亀三郎さんは、結構原作に思い入れがあったみたいで、ツイッターで沙門に言及したり、原作とは違う人物作りを心がけたって言ってらしたなー。確かに、原作の飄々としたキャラというよりは、しっかり者のお兄ちゃんキャラであった。
もう一つ不満だったのが、博雅のお衣装。博雅は狩衣よりお直衣でしょう。色も黄緑って、勘九郎ちゃんにも似合ってないし。てか、チラシはちゃんと濃い青系のお直衣だったのに、なぜああなった。

あとね、エビちゃんが最後すっげー良かったんだわ。将門が復活するまでは、例によって、やる気あるんだかないんだかわからない感じだったんだけど、復活してからはすんげー良かった。やればやる気見せられるんじゃんって言う。いつものあのキモチワルイ声が、一瞬團十郎さんの声に聞こえたよ。もしかしてやれば出来る子なの?

菊ちゃんは滝夜叉姫だと明らか役不足でもったいなかったなー。無駄にオーラが出てるって感じで。エビと親子ってのも何か不思議w 陰陽師ならやっぱり「生成り姫」の徳子さまが見たいな。映画とネタ被っちゃうけど。
その場合、綾子さまは梅枝ちゃんで。若くて綺麗でタカビーとか、まんまじゃんって、あ。

てなわけで、陰陽師クラスタとしては、今までで一番満足できる「陰陽師」ビジュアル化作品(コミックも含めてって、あ)でした!歌舞伎クラスタとしても、いいお芝居だったと思います!
楊翠霞 * 陰陽師話 * 21:23 * comments(0) * trackbacks(0) * - -

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